モンクストラップシューズのお話(ダブルモンク編)

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前回はモンクストラップシューズのシングルモンク編ということで、紹介させていただきました。

 

シングルモンクとくれば、ダブルモンクの話も外せません。

それでは今回はダブルモンク編ということで、ダブルモンクストラップシューズのお話をさせていただきます。

 

 

 ダブルモンクストラップシューズの出自の「定説」

この商品はオンラインショップでお求め頂けます!

 

ダブルモンクストラップシューズは、バックルがついていることから、モンクストラップシューズに分類されますが、その出自を辿っていくと、シングルモンクストラップシューズとは関係性が希薄と言わざるを得ない背景があります。

 

一般的な定説は、1945年にジョン・ロブ・ロンドンの2代目当主のウィリアム・ロブ氏が製作したビスポークからこのデザインは完成したと言われています。

お洒落が好きな方であれば、一度はその名を耳にしたことがあるのではないでしょうか?

そのダブルモンクストラップシューズの起源となったブーツがありまして、そのブーツはウィンザー公こと英国王エドワード8世のためにウィリアム・ロブが製作したものでした。

飛行機乗りの靴であるアビエイターブーツをヒントにロブ氏が編み出したといわれており、甲サドルにバックル付きのストラップ2本を配するというのは、ウィンザー公たっての希望であったとかないとか…。

 

ダブルモンクストラップシューズの靴は、2010年前後からピッティスタイルと呼ばれる、イタリアの最先端ファッションシーンにおいて、好まれて履かれることが多かったために、最近出てきた靴のようにお感じになる方もいらっしゃるようですが、ダブルモンクストラップシューズは決して一朝一夕で世に出てきた靴ではないということを、最初におことわりします。

 

さて、この元祖ダブルモンクストラップブーツは、既製靴ブランドのジョン・ロブ・パリにもモデルとして残されていましす。それこそがジョン・ロブの「ウィリアム」です。

気になる方はぜひ検索してみてください。

 

よくジョン・ロブのウィリアム、ウィリアムと呼ばれる、短靴となったダブルモンクストラップシューズは、正式には「ウィリアム 2」と名付けられています。

なぜ「2」となっているのか疑問に思われていた方もいらっしゃるのではないかと思いますが、実はというと、このブーツが元祖で、後に短靴のモデルが出てきたという一連の流れがあったためです。

 

また、ジョン・ロブが既製靴として生まれた最初期に、「コテージライン」として、カジュアル用に作っていた「ウィリアム」がありました。それはフランスのブランドである、パラブーツがOEM生産していたのです。パラブーツでもダブルモンクで「ウィリアム」があるのはこういう理由があります。パラブーツのウィリアムも一度生産がストップしていた時期がありましたが、2001年からまた製造が再開され、こちらはパラブーツのロングセラーアイテムとなっています。

 

やはりジョン・ロブはダブルモンクの元祖といわれるだけあって、エピソードに事欠かないですね。

 

「定説」を覆す日本のダブルモンクストラップシューズ

今、紹介させていただきました、「ジョン・ロブがダブルモンクストラップシューズの元祖である」という定説は、ファッション業界では当たり前のようになっていますが、ダブルモンクストラップシューズに驚く事実があります。

 

 

https://www.instagram.com/p/Bleh4fRHByt/?igshid=r9yhuutnh2jw&fbclid=IwAR0j3u1e5Qok0RKMxSjouqFYoGN2jIRwhjhC6c2EB-JS6wxarGwCm61M1KQ

 

 

こちらは@Ryo Inoueさんにご協力いただきまして、Ryoさんが集められている資料から拝借いたしました。

 

新選日本製靴大觀に残されていた靴の挿絵。

新選日本製靴大觀は1911(明治44)年に発行されたもので、ジョン・ロブが製作する34年前既に日本にダブルモンクらしきデザインが存在したという新事実!

 

いったいどうしてこの靴が生まれたかまではわかりませんが、私たちが思っている以上に古くからダブルモンクストラップシューズは世の中に誕生していたのは間違いないようです。

 

 

ダブルモンクを世に広めたのはやはりジョン・ロブであると感じます

この新事実を紹介させていただいたのは、決してダブルモンクストラップシューズがクラシックではないと思っていただきたくないということと、また流行り廃りに流されたデザインではなく、クラシックな装いに合わない靴でもないということを改めて靴屋の観点から申し上げたかったからです。

定説を覆すように、初代ウィリアムよりも遥か前にダブルモンクストラップシューズは生まれていました。

その事実はありますが、ダブルモンクストラップシューズが今日本全国の靴売り場にラインナップされるほどポピュラーなアイテムとなったのは、やはりジョン・ロブの既製品の存在無しにはありえなかったと思います。

ウィリアムとは別にもうひとつマスターピースとなっているダブルモンクストラップシューズに、チャペルというモデルがあります。

同ブランドのプレステージラインにラインナップされており、高級な革の中からさらに選び抜いた革を贅沢にも1枚で仕立てるという一品。

ワールドフットウェアギャラリーではジョン・ロブ・パリのお取り扱いはありませんが、お客様が修理のご依頼でチャペルをお持ち込みになることはしばしばあります。

そして、拝見するたびに、美しい靴であると感じる確かな説得力があります。

このチャペルの存在もあって、ダブルモンクストラップシューズは世に大きく広まっていたのでしょう。

 

筆者はダブルモンクをこう考えています

さて、ここまでダブルモンクストラップシューズの出自・靴の立ち位置・広まり方を深堀したところで、最後に筆者個人の考えを申し上げます。

間違いなくシングルモンクストラップシューズのほうが歴史が古く、よりクラシックな雰囲気。

ダブルモンクストラップシューズはよりモードな雰囲気に寄っており、モダンで2020年現在のライフスタイルに求められている「オン・オフ両用できる靴」という、便利で洒落っ気のある靴であるということです。 

それはあくまで好み、ひとりひとりの個性・スタイリング・ライフスタイルに準拠して選ぶだけの話です。

 

ダブルモンクストラップシューズを履いているから、その方の個性が否定されるものではないということを申し上げて、今回のブログを締めさせていただきます。

 

ドレスファッションシーンは現在クラシック回帰が謳われているので、ダブルモンクストラップシューズを選んでいいかお悩みになっている方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、お気になさらず、ぜひダブルモンクストラップシューズを楽しんでいただければ靴屋として嬉しく思います。

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